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概要
社会のグローバル化に伴い,文化や言語が異なる人たちが共同で作業を行うことが多くなってきました.
石田・松原研究室の異文化コラボレーショングループでは,主にサービスコンピューティング技術を用いて,文化間の障壁を超えるためのツールを提供することを目指しています.
私たちは,異文化話者たちが協調作業を行う際に起きる問題を,実験と分析を通して明らかにするとともに,
それらの問題を解決するための異文化コラボレーション支援技術と方法論を提案します.
その具体的な取り組みとして,2002年から2005年までアジアの研究機関と連携し,機械翻訳を用いた
異文化コラボレーション実験(Intercultural Collaboration Experiment)を行い,
機械翻訳技術を利用する際の問題点を分析しました.
また,2006年からは,サービス指向の基盤を用いて異文化コラボレーションを支援するための技術と方法について研究しています.
今後は,情報処理通信機構(NICT)と共同で,様々な言語資源を容易に配備・連携するための基盤である言語グリッドの開発を行っていきます.
このように本研究グループでは,異文化コラボレーションのための言語資源利用や,文化間の障壁を超えるためのツールを開発するためのサービス基盤について研究を行っています.
各研究の概要については,下の研究内容をご覧ください.
本研究グループの研究成果については,主な研究成果をご覧ください.
研究内容機械翻訳を用いたコラボレーションの研究
インターネット上の言語は,英語とそれ以外の欧州言語,アジア言語がほぼ1/3ずつ占めていると言われており,オンライン上で言語の壁は現実世界と同様に厚いものとなっています.
その中で,多言語コミュニケーションを支援する技術として機械翻訳がありますが,その性能はまだ完全ではありません.限られた性能を持つ機械翻訳ですが,
二言語話者(バイリンガル)が存在しない異文化コラボレーションの場面などでは,その使い方を工夫することで強い味方になります.
私たちは,機械翻訳を使った実験を通して機械翻訳の利用における問題点を特定し,機械翻訳を効果的に利用するための技術を提案しています.
また,多言語コミュニケーション支援技術を辞書や用例対訳など言語資源一般に広げることで,言語資源の効果的に利用する技術についても研究中です.
図:多言語チャットシステムを使った図形同定実験の様子 言語グリッドプレイグランドの運営と普及
本研究室では,言語グリッドの様々な言語サービスを既存のインターネットブラウザ(Internet ExplorerやFirefoxなど)から体験できる「言語グリッドプレイグラウンド(Language Grid Playground)」を公開運営しています.
プレイグラウンドは,本研究グループの研究成果を形にしていく場でもあります.
言語資源をどう組み合わせて新しい言語サービスを提供できるか,言語の問題を抱えている現場に言語グリッドをどう適用していくか,そういった挑戦の実例も公開しています.
また,プレイグラウンドのソースコードは近日中に公開され,NPOや他の大学での言語グリッド応用の研究開発を支援していく予定です.
言語グリッドは,世界中の言語資源(辞書,機械翻訳など)を共有することができる,インターネット上の多言語サービス基盤です.
言語グリッドを使うことで,インターネット上の言語資源(対訳辞書など)や言語処理機能(機械翻訳など)を自由に組み合わせて使ったり,
コミュニティが作った言語資源を追加し,コミュニティの活動に特化した言語サービスを作ったりすることができます.例えば,国内外で異文化コラボレーション活動を展開するNPOなどが,
活動に必要な多言語サービスを自ら開発することができます.
なお,言語グリッドは,現在,非営利利用を目的とした方々に限り利用できるようになっています.
機械翻訳を用いた共同翻訳
機械翻訳は,文化や言語が異なる人たちの間のコミュニケーションを改善することが可能な,非常に有用なツールであるという事がわかっています.
しかし,未だに,多言語コラボレーション活動において,参加者間に翻訳ミスによる誤解が生じてしまう可能性があります.
共同翻訳では,バイリンガルでない二人の参加者が,それぞれの母国語で機械翻訳を用いた翻訳作業を協力して行うことです.
本研究では,共同翻訳プロトコルを開発し,折り返し翻訳結果を確認しながら翻訳作業を行うことにより,機械翻訳の性能を向上させることを目的としています.
多言語コミュニケーション活動におけるソーシャルキャピタル
グローバル化とインターネットの普及に伴い,文化や言語が異なる人たちの距離は,以前と比べものにならないくらい縮まりました.
共通言語・文化が存在しない,コンピュータを介した環境で働いている人たちの数は,急速に増加しています.
インターネット上で入手可能な情報量が増加するにつれて,多言語による情報を理解し,処理することの難しさが明らかになってきています.
そのため,異文化コラボレーションを支援するシステムの開発がますます重要になってきています.
異なる文化圏・国で働いている人たちにとっての最も大きな障害は言語障壁です.
言語能力は,ソーシャルキャピタルの形成や,文化の壁を取り払うことに大きく影響します.
ソーシャルネットワークは,近しいビジネス関係・個人関係を築くために必要不可欠なものです.
本研究では,オンラインと現実世界の双方において,異文化コラボレーションにおける言語障壁を克服するためのソリューションとして,機械翻訳を提案しています.
多言語対訳辞書を用いた機械翻訳連携
機械翻訳連携により,一つの機械翻訳ではサポートしていなかった言語ペア間での翻訳を実現できます.
しかし,機械翻訳連携による翻訳結果は,語の曖昧さが原因で,入力文の本来の意味とは異なってしまう可能性があります.
本研究では,多言語対訳辞書を用いて翻訳時のコンテキストを伝えることにより,複数の機械翻訳をうまく組み合わせる方法を提案しています.
ユーザ視点からのQoS制御サービスコンピューティング分野のさらなる発展は,QoS(Quality of Service)技術にかかっています.現在のQoSに関する研究・技術は,サービスコンピューティングが進歩するスピードに追いつくにはまだ十分ではありません.QoS技術を向上させるためには,ユーザの視点からのQoS制御を考える必要があります.ユーザ視点からのQoS制御は,サービスがより多くのユーザから利用されるために,サービス品質を向上させることと同様に重要です. ユーザ視点からのQoS制御では,改良された制約充足問題の技術がQoS制約の最適化に利用されます.本研究では,制約充足をサービスコンピューティングにおけるQoSに適応させるために,2つのカテゴリで構成されるCoS(Class of Service)を提案しています.(例:ユーザが定義するCoSとサービス提供者が定義するCoS) ![]() サービス提供者視点からのWebサービスの信頼性計算複合Webサービス連携においては,同種のWebサービスが複数存在する場合に,QoSやコストに基づいて適切なサービスを選択する手法が多く研究されてきました.そこではWebサービスは受動的なコンポーネントと見なされています.しかし実際には,サービス提供者の側でも,品質の低い他のWebサービスと同時に利用されて評価が下がることを避けるため,連携される別のWebサービスの提供者に対する信頼度を考慮する必要があります. 例えば,言語サービスの提供者には,機械翻訳などの商用サービスを提供する企業と,特定分野の辞書などの無償のサービスを提供するNPOのような小規模なコミュニティがあります.これらの2種類のサービスは,連携することで高い価値を生み出すこともありますが,無償のサービスは一般に有償のサービスよりは品質が低いため,有償サービスを提供する企業にとっては,同時に利用されることで自らのサービスへの評価が下がることを防ぐ必要があります. 本研究では,マルチエージェント研究における提携形成を基に,サービス提供者が信頼度に基づいて連携にするべき相手を決定するモデルを提案します.これにより,より柔軟で効率的なWebサービス連携が可能になります.本研究における課題には,信頼性に基づいた提携形成交渉プロトコルや,サービス提供者のための信頼性の尺度,順応性のあるワークフローが含まれます. ![]() メンバー
※ドメインが省略されているものは
を追加してください.石田 亨(教授) ![]() Ari Hautasaari (D3) arihau 史 春奇 (D2) shi Amit Pariyar (D1) amit 金 楠(M2) jin 後藤 真介(M2) s-goto 長 大裕(M2) h-cho 野添 達也(M1) nozoe 喜多 香織(M1) kita 北川 大輔(M1), kitagawa 西村 拓哉(M1) nishimura 堀田 裕理(B4), horita 主な研究成果
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